歯の抜歯、親知らずでお困りになられている方はご相談ください。歯科口腔外科出身の経験のあるドクターが歯や親知らずの抜歯を専門的に行っております。(歯の抜歯は歯科口腔外科の分野です)。
親知らずは「抜き方」がさまざまです
ドクター山中より
▲根の形態は様々です
親知らず一つとっても、埋伏歯、半埋伏歯、普通に生えていても根が曲がっている歯と、さまざまなタイプの親知らずがあります。自分の場合、大学病院の口腔外科外来時代は、親知らずの抜歯をメインに(そればかりといっても過言ではない)治療を行っていました。
歯科医師1年目の経験が浅い時期は、簡単な親知らずからはじめていました。中々一筋縄ではいかない親知らずも経験し、先輩方に助けていただいた苦い経験をしながらも、大体3年目になってくると、今度は後輩ドクターが苦戦している親知らずの治療を、自分が途中から助ける側に回ります。
この「途中から」というのがポイントで、実は途中からの抜歯は非常に難しいんです。それは初期の歯の状態が分からない場合が多いためです。
他院で断られたりする場合の「抜くのが難しい親知らず」も多数行っております。当院でもやらないほうがいいと診断する難しいレベルは、提携している大学病院の准教授の先生をご紹介しています。
親知らずは保険治療です。どこの医院でも親知らずの抜歯は対応していますが、保険適用で治療費が同じであれば、どうせなら経験のあるドクターに痛みの少ない抜歯をしてもらったほうがよいかと思います。
根が残らないような抜き方
▲根が曲がっていることも
歯の根がまっすぐな場合、抜くのは比較的容易ですが、根が写真のように曲がっている場合、普通に抜いてしまうと根が折れて歯ぐきと骨の中に残ってしまう場合があります。
残った根はそのままにすると感染を起こしてしまう可能性があるため、キレイに除去しなければなりません。根が残った場合、歯ぐきにメスを入れて切開してほじくり出す…、といった無駄な治療行程が生まれて余計に時間もかかってしまいます。
そうならないように、術前にレントゲンやCT撮影を使い、見極める必要があります。
CT撮影の重要性
▲当院設置の歯科用CT
レントゲンはあくまでも2次元(2D)の平面の画像なので、歯の根と神経や血管がどのように交錯しているかは分かりません。
CT撮影は、3次元による立体画像(3D)ですので、抜歯時に気を付けなければならない、神経や血管の位置がよく分かります。
親知らず・よくある質問Q&A
- 一気に4本全部抜きたい
- 忙しい方のための1Day治療を行っています海外に在住の方など、通院に中々時間がとれない方、矯正歯科治療を早く始めたい方等は、親知らずを上下4本、一回の通院で抜くことも行っております。
眠っている間に治療が終わる静脈内鎮静法を用い、麻酔専門医のもと抜歯を行います。詳しくはご相談ください。 - 奥歯の虫歯が痛い
- 早めの受診を親知らずの抜歯をするのに、多い理由として親知らず自体、もしくはその手前の奥歯が虫歯で痛むというご相談です。親知らずは非常に歯磨きがしづらい(ブラッシングが行き届かない)ため、虫歯になることが多いのです。手前の隣接する歯が虫歯になる前に親知らずを抜くことをおすすめいたします。
▲痛んだら早めの受診を - 痛みもなく問題ないが、抜いた方がよいですか?
- 移植歯として使える場合があります手前の奥歯が何らかの原因で失われる場合、親知らずを手前に移植することができます。
▲将来的に奥歯の移植歯として
歯の移植治療は保険適用です。移植した歯は、その方のお口の状態によって、どれくらいの年月持つかは変わってきますが、3~5年との見方が一般的です。当院では何十年も持たせられるようにケアをしていきます。 - 矯正治療を考えていますが、親知らずは抜いたほうがよいですか?
- 矯正を検討している場合は抜いたほうがよいこともあります矯正治療を終えた後に、親知らずが生えてくると歯並びを乱すことがあります。歯科医、矯正歯科医の診断・話し合いによって決めていきましょう。
- 妊婦なのですが抜くことはできますか?
- 結婚・出産をお考えの方はご相談ください妊娠中に親知らずが痛くなると、胎児の関係で、痛みどめや抗生物質などの薬を服用できない場合があります。安心して妊娠時期を迎えるために、結婚前に親知らずの抜歯を行うという考え方もあります。痛みが出そうな親知らずの生え方がありますので、抜くか抜かないか分からない女性の方は、将来のことを考えてそのようなお話しをさせていただいております。
- どういった歯医者を探せばよいですか(経験のある先生を探すには?)
- 歯科口腔外科の医局に在籍経験のある先生歯科口腔外科の表記があるところです。しかし歯科口腔外科はどんな医院でも掲げることができます。ですので、その先生の経歴をみて、大学病院などの歯科口腔外科の医局に在籍したことのある先生がよいでしょう。抜歯経験の豊富な先生をお探しすることをおすすめいたします。
- 抜いた後は痛みや腫れは出ますか?
- 個人差がありますが、極力抑えるための治療を行っています身体の炎症反応で腫れが起こります。痛みや発熱も炎症反応の一つです。
人によって腫れや痛みの出方・度合いも違ってきますので、一概に「当院では腫れません」とは言えないのですが、なるべく腫れや痛みが出ないような抜歯の方法を行わさせていただいております。
親知らず以外の歯の抜歯
親知らず以外の別の歯を抜く場合も、後にどういった治療を行うか、両隣の歯や対合する歯との関係性も考慮して慎重に抜歯をすすめます。*当院では「抜くか、抜かないか」の判断(セカンドオピニオン・相談窓口)もお受けしております。
抜歯後の治療内容によって(患者さんによって)、抜歯の仕方も変わります。
ただ抜いて終わりではなく、次の治療につながる抜歯をしています。
前歯の抜歯
抜いた後、どのような治療をするのか、インプラントにするのか、ブリッジにするのか、部分入れ歯にするのか、で抜き方や抜いた後の施術方法も変わってきます。
インプラントをする場合
歯の周りの骨を極力残したいので、特別な器具を用いて抜歯する場合があります。
矯正治療をする場合の便宜抜歯(べんぎばっし)
スペースを作るために健全な状態の歯を抜く。これも非常に難しくテクニックを要します。抜き方が悪いと歯ぐき自体が下がる場合があります。
そうなってしまうと審美的な矯正を考えた場合、適切ではありません。
残根抜歯
歯根破折した歯、被せていた歯の土台が割れてしまった…等、何らかの原因で残っている根の歯を抜歯します。
木でいうところの根をキレイに取り除くというような治療になりますので、経験や技術を要します。
骨粗鬆症の方
抜歯した後の周囲の骨に悪い影響を及ぼすことがありますので、注意が必要です。
全身疾患をお持ちの方
高血圧・糖尿病・高血糖・脳梗塞・心臓疾患など、全身疾患をお持ちの方で抗凝固剤を飲んでいる方や血圧の高い方は出血が多くなるので、止血するための縫い方など、対応方法にコツがあります。
その分、医科との連携が重要になります。当院では山中医院と提携しています。
歯周病(歯槽膿漏)の抜歯
歯が揺れている、グラついているということは歯を支えている土台の骨がなくなってきているわけです。ですから抜いた後は結構な出血があります。出血がなるべく抑えられるような抜き方を考慮します。
抜いたあとの肉芽組織(にくげいそしき)を取る・取らないの判断で、治癒後に歯ぐきが引き締まっているのかブヨブヨしているのかで、例えば後に入れ歯の治療をする場合、入れ歯の吸着力等が大きく左右されます。
ですので、抜いた後は骨整形といって、抜いた箇所の周りの骨を整えて丸めたり等して歯ぐきが引き締まるようなことをやってあげないと、入れ歯の安定が全然得られないのです。
ブリッジをする場合の抜歯
当院のブリッジ治療は、そこに“あたかも”歯があるような形態の自然なブリッジを実現しています。ブリッジ歯と歯ぐきとの境目を自然にするには、歯を抜いた後に、骨の移植(ソケットプリザベーション)や歯ぐきの移植形成、仮歯を装着して歯ぐきの自然な形態を付与させる等、さまざまなテクニックがかかせません。
これはオベイトポンティクと呼ばれる審美的ブリッジの方法で、この歯が自然にあるように見せるブリッジは、抜歯後にどのような施術をするかが大切なポイントになります。
以上のように、当院で歯を抜く患者さんは、全てここまで考えて抜歯を行っています。ですので抜く前の患者さんとの話し合い、主治医との話し合いが非常に大切になります。
親知らずでお悩み・お困りの方、歯の抜歯を検討されている方は当院までお気軽にご相談いただければと思います。
当院での親知らず抜歯 症例
ここでは、当院で実際に行った様々なタイプの親知らずケースを症例でご紹介しております。ご自身に似た親知らずのケースはあるでしょうか。詳しく診査・診断させていただきます。
case1:左上下の垂直埋入のケース
こちらのケースは親知らず自体がほぼ垂直に生えており、そんなに難しくないケースですが、後ろの歯ぐきが一部親知らずにかぶっている状態です。かぶった歯肉を低侵襲でうまく力をかけて効率よく抜いたケースです。
case2:右下の水平埋入のケース
親知らず自体が水平に生えており、歯ブラシしづらく、虫歯になっていたケースです。分割して段階的に抜歯しています。
親知らずの手前の奥歯(7番目)が虫歯になっていることもありますので、親知らずの処置が終わった後は、そちらの虫歯治療も行うことがあります。
case3:左下の手前奥歯に倒れかかっているケース
当院の場合、「なるべく低侵襲」をコンセプトに掲げていますので、周囲の骨を削るよりは、このように親知らずをわざと分割して抜歯除去することが多いです。十分に麻酔を効かせていますので、もちろん治療中の痛みはありません。
case4:親知らずの根が4本ある珍しいケース
4本の根っこがあると抜歯の難易度は上がります。歯を分割して周囲の骨を傷つけないように抜く方法をとっています。
case5:少し深めの水平埋伏のケース
分割して抜いています。
case6:頭が大きい親知らずのケース
いわゆる「頭でっかち」なケースは、親知らずの頭自体も分割して、頭、胴体、しっぽ、…と段階的に4分割除去しています。
case7:右上下を同時に抜いたケース
上の親知らずは反対側に傾いています。かぶっている骨を最小限で除去し、一気に抜いています。
case8:水平に生えている親知らずの分割抜歯
case9:複雑な根っこのケース
複雑な根の形態をしている親知らずですが、キレイに分割して低侵襲で除去しています。
case10:根っこが曲がっているケース
根の形態がひどく湾曲しているケースで、キレイに分割して低侵襲で除去しています。
case11:根が複雑な曲がり方をしているケース
根の向きが違う方向になっているケースは、抜き方にコツがあります。遠心側に力をかけて、かつ力の入れ方にも経験が必要です。
経験のある歯科医師でも、はまる時には2時間くらいの治療時間を要するときもあります。うまく抜ければ1分で終わりますので、事前のレントゲン診査・診断が重要です。
case12:骨と癒着しているケース
上の親知らずが顎の骨と癒着していたのですが、キレイに剥がしてあげて、素早く抜いたケースです。2分くらいで終わりました。
case13:横向きに生えて、食べ物が詰まりやすいケース
7番目の奥歯が虫歯になっており、分割して除去しました。親知らず抜歯後に、虫歯の治療も行っています。
case14:手前の奥歯に引っかかっているケース
近心側に少しだけ引っかかっている親知らずは、引っかかっている頭の部分を少しだけカットし、除去します。
case15:骨が半分かぶっているケース
遠心側の骨が少しだけかぶっているケースです。かぶっている骨を少しだけ除去して一気に抜きます。下あごの神経が近いために、分割しながら掘っていくよりは、傘のようにかぶっている骨を除去したほうがよい場合もあります。
意外と水平の埋伏歯よりも、垂直の埋伏歯の親知らずのほうが、診査・診断・治療が難しいこともあります。
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